2024 02 06
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GOTS認証とは!? マークの意味やメリットについて -Global Organic Textile Standard-

BOLOで取り扱っているアパレル衣料は、”海外を拠点としている子供服ブランド”ということを皆様ご存知だと思います。
海外子供服の一番の特徴は、”ブランド独自のデザイン性”で、ドメスティックブランドにはない、圧倒的な魅力だと思っています。
それぞれの文化やセンスが反映された洋服は、見ているだけでも楽しいものです。大人が着るようなデザインを取り入れながらも、子供らしさを大切にした物が多く、子供たちが自由に、楽しく、そして”おしゃれに”過ごすためのアイテムとして作られています。

しかし、海外の子供服はデザインだけではありません!!
“品質”も海外子供服の大きな魅力です。肌触りや着心地が良いのはもちろん、オーガニックコットンや厳選素材を使用していて、環境安全に配慮した素材が用いられています。デザインも品質も良いなんて言うことなしです。
でも、普段から”GOTS”や”オーガニックコットン”って言葉を目にしたり、聞いたりするけど、実際の中身や意味を正しく理解していない…なんて人も多いと思います。
そこで、本日は”GOTS”や”オーガニック”というワードについてお話したいと思います。

1.GOTSとは!?

2000年頃までは、各地域で各団体が作ったオーガニック基準が存在していました。
しかし、繊維製品は多くの場合、国や地域をまたいで加工や流通されるため、基準が異なると最終製品までオーガニックだと確認することが難しい。この問題から、多くの団体が集まり、グローバルに通用する一つの基準を作るためにできた認証がGOTS(ゴッツ)です。
オーガニック繊維製品に基準を定めている団体名でもありますし、この基準の名前でもあります。
GOTSとは、Global Organic Textile Standardの略で、オーガニックテキスタイルの世界基準を指します。
※海外子供服に触れていると、OEKO-TEX®というワードも良く見ることがあると思いますが、同じような認証だとお考えください。

オーガニックコットンと記載されている洋服を見かけると思いますが、記載されているだけで、それが本当にオーガニックコットンなのか、私たち消費者には判断し辛い現状です。さらに、オーガニックコットンと言っても、その洋服にどのくらいオーガニックコットンが使用されていれば、私たちが求める品質になるのかも不透明です…。
例えば、オーガニックコットンと記載された商品が、実際にはオーガニックコットンが10%しか使用されておらず、残りの90%は農薬や化学肥料が使用されたコットンを使用されていたらどう思いますか?環境に優しい選択をしたいからオーガニックコットンの洋服を探しているという人にとって、納得のいく品質だとは到底思えません。
こういった問題を解決するために、世界中の誰もが”これはオーガニックだ!!”とオーガニックコットンの含有率に基準を設定し、本当に基準を満たしているかどうかを審査するルールを”GOTS”と言います。

-GOTSが定めるオーガニック含有率-

GOTSのマークには、上記のように”原料が95%以上オーガニックの場合”と””原料の70%以上95%未満がオーガニックの場合”の2種類のマークがあります。
なぜ2種類あるのか。って思う人もいるかもしれませんが、すべてのコットンのうち、生産されているオーガニックコットンは1%にも満たない生産量です。こんな生産量で含有率100%の基準を設けてしまったら、認証を受けられる商品がなくなってしまい、認証制度が広がらなくなってしまうからなのです。

-GOTS認証の基準-

【原料】70%以上がオーガニック (残り30%未満も制限があります)
【一貫した認証】原料から最終製品まで、全ての工程をカバー
【トレーサビリティー】製品の追跡可能性が確保されている
【有機製品精度】オーガニック以外の製品との混同、汚染されない管理
【残留物】最終製品に残留物がないかチェック
【環境配慮】水・エネルギーの使用や廃棄物に関しての環境目標を設置
【薬剤使用制限】廃水処理方法や生分解性の基準に基づき、毒性の強い薬剤を使用しない
【GM禁止】原料や助剤等に遺伝子組換技術は使わない
【動物実験禁止】生体実験をしない
【雇用倫理】強制労働・児童労働の禁止
【労働環境】衛生的で安全な労働環境と搾取のない労働条件である
【差別禁止】差別禁止が実践されている

GOTS認証を受けるための基準は、オーガニックの含有率だけではありません。
なぜ、上記の表のように、こんなに色々な基準があるのか。大きな声では言いにくいのですが、それは…ファッション業界は世界で2番目に地球環境を汚染している産業であり、なおかつ生産者の労働搾取していると言われています。
地球環境面では、オーガニックコットンの生産量をもっと増やす必要があり、そうなるとオーガニックコットンを生産する人の労働環境面も大切になってくる。このようなことから、色々な基準を設ける必要があるというわけです。

-GOTS認証の商品を購入することのメリット-

オーガニックコットンはレギュラーコットンよりもサステナブルです。
例えると、一枚のTシャツに必要なコットンの生産に対して使用される水の量は2,700リットル。一方、オーガニックコットンの場合は、243リットルしか必要ではないらしいです。また、オーガニックコットンの生産はレギュラーコットンと比較しても機械化に頼る必要もないので、温室効果ガスの排出量も46%少ないという結果が出ています。
水不足は世界の深刻な問題ですし、温暖化に関しては急務な課題です。
オーガニックコットンを選ぶことで、これらの問題解決に繋がるというわけです。

2. アパレルにおける”オーガニック”の意味や広がり

オーガニックというワードを聞いて、最初に何を思い浮かべますか?
アパレルショップに行ったり、オンラインショップを見ていると、オーガニックコットンだから”肌に優しい”と聞いたり、見たりしませんか。このことから、オーガニックコットンは”肌に優しい”とか”肌あたりが良い”というイメージを持つ人も少なくないと思います。

でも実はアパレルにおいては、オーガニックだから”肌に優しい”とか”肌あたりが良い”ということは残念ながら一切ありません。
もちろん、”コットン”は天然繊維なので、化学繊維に比べて肌触りが良く、皮膚への刺激が少ないことは事実です。実際にコットンは肌に優しいと思います。ただし、オーガニックだからレギュラーだからといった肌への違いはありません。
オーガニックコットンもレギュラーコットンも品質には大きな違いはなく、むしろ収穫された綿からどちらかを判断することは難しいそうです。見分ける違いは唯一、生産過程にのみ。だから、GOTS認証があるわけですね。
アパレルにおける、オーガニックとは、”安全性に配慮した方法で、太陽や水・土などの自然の恵みを生かして有機栽培された”ことを意味します。


以上が、GOTSについてのお話になります。
BOLOで取り扱うさまざまなブランドからは、毎シーズン必ずオーガニックコットンを使用した商品が展開されています。
特にオーガニックコットンを使用した商品群が多いブランドは、オランダ発のCARLIJNQ・デンマーク発のA Monday in Copenhagen・スペイン発のraquetteだと思います。もちろん、その他のブランドもオーガニックコットンを使用した商品が展開されていますので、ご安心くださいね。

冒頭でも述べたように、海外子供服の一番の特徴は、”ブランド独自のデザイン性”だと思います。
でも、これから洋服を選ぶ際、GOTS認証のマークや記述があるかどうかも、是非チェックして検討していただけると嬉しいです。
子供たちのワードロープに、オーガニックコットンの洋服が増えることで、未来につながる持続可能な社会が実現すると思います。